ウルのスタンダードって知ってますか?…大英博物館Part3は聖地巡礼
こんばんは、おはようございます。
本日の語学学校の授業で、
「KEIは今日の放課後はなにをするの?」
と聞かれたので
「British Museumに行きます」
と答えたら
「それ先週も行ってたじゃん」
と言われたので
「時間があるなら毎日行きます」
と返したところ普通にドン引きされました。
「KEIはculture vultureだね!」
と言われたのでこの言葉を調べてみたところ、
エセ教養人とか教養マニアと出てきました。
先生はpeople who loves cultureと言っていたけれど、果たしてこれは喜んでいいのでしょうか。
ディスられている気がしないでもないですが、
まあたしかに教養人ぶってるエセ教養人といえばわたしのことだしこれからもこの路線で行こう。
そう決意を新たにしました。
どうもculture vultureのKEIです。
ということで今日も今日とて大英博物館(British Museum)に行ってきました。
もうその報告飽きたわっていう声が聞こえてきそうですが、culture vultureなので許してください。
今日の目的はプチ聖地巡礼です。
お題はこちら。
宝石商リチャード氏の謎鑑定
著者:辻村七子
完璧な美貌でスイーツとミルクティーをこよなく愛するイギリス人宝石商(表紙左)と日本人のうっかり天然口説き魔大学生(表紙右)が宝石にまつわるトラブルを解決していくシリーズものです。普段は冷静沈着なのにスイーツには目がない宝石商と、正直すぎるあまり相棒の美貌を褒め称えた挙句に口説いていると勘違いされてしまう大学生のコンビが非常にかわいいのです。
覚えていらっしゃる方がいるかわかりませんが、以前日本を出発する日のことを書いた記事(※これ)で、出発前に慌てて書店でその日発売の文庫本を購入したことをお伝えしたと思います。
実はそのとき購入していたのがこちら。
宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ
シリーズ 最 新 刊 です!
こちらの巻がシリーズ第4巻にあたるのですが、3巻がすごく気になるところで終わっていたんです。
日本を出発する日に購入できるかどうか、実はすごくヒヤヒヤしていたのでした。
もちろん無事購入することができました!
そしてイギリスへ向かう飛行機の中でこの最新刊を読んだのですが、
なんと作中で主人公の大学生もイギリス行きの飛行機に乗るというミラクルシンクロ。
たしかにイギリス人宝石商は出てきますが、まさかイギリスを舞台にすることがあるとは思っていませんでした。
しかも発売日にわたしもイギリス行きの飛行機に乗ってるなんて、ちょっと運命を感じましたよね。(著者とファンの皆様ごめんなさい)
で、主人公は渡英後にロンドンを観光したりなんやかやするわけですが、そのなかで大英博物館にも訪れるのです。
タイトルの通り宝石を見に行くんですね。
彼が訪れたのはroom 47。
実はウェッジウッド版ポートランドの壺があるのとおなじ部屋です。
この部屋には陶磁器のほかにも、カメオやアクセサリーがたくさん展示されているのです。
この場所で主人公は、歴史的な背景を持ったジュエリーに圧倒されるのですが、作中で具体的に描写されている宝石がどれなのか、残念ながらわたしにはわかりませんでした。
だって本当にたくさんの宝石があるんです。
左のイヤリングはウェッジウッドのジャスパー。
かわいらしいモチーフのブローチとか。
カルティエのゴージャスなネックレスも。
このあたりはすでにかわいいという領域を超えてる。ただすごい。
多すぎて、どれがどれだかよくわからないのも仕方ありません。
宝石を見物したあとは、今日もポートランドの壺を舐めるように見て、本日のメイン会場に向かいます。
それがこちら。room 56。
ウルのスタンダード(The Standard of Ur)
わたし、小説を読んだだけで「ウルのスタンダード」がなにか、ぜんぜん調べないで行ったんですよ。
今日見に行って思いました。
あ、これ、はじめて来た日に見てたわ。
しかもそのときに思ったこと。
日本でレプリカ見た。
以上。
……。
なんという大失態。
これだからエセ教養人は…。
知識があればこそより深く楽しめる、という良い例だと思っていただければ…。
ウルのスタンダードは、「ウル」というシュメール人の古代遺跡の遺物です。
青のラピスラズリのモザイクを背景に、貝殻や珊瑚で絵が描かれています。
反射で見づらいですが、片面には平和な日常、
片面には戦争の場面が描かれています。
写真ではかなり黒っぽく見えますが、実際は濃い藍色ですね。
箱のような見た目なのですが、スタンダードとは軍旗という意味のようです。
しかし実際のところ、用途は未だよくわかっていないんだとか。
ウルのスタンダードに使われているラピスラズリという宝石は、絵具の原料になります。
色の名前はウルトラマリン。
西洋の色見本をめくるとよく見かける名前で、「海を越えた青」という意味だそうです。
画家のフェルメールがふんだんに使用したことで有名で、フェルメールブルーとも呼ばれます。
ちなみに、当時ラピスラズリはアフガニスタンでしか採れなかったので、とても高価だったようです。フェルメールはラピスラズリを使いすぎて借金まで作ったとか。
多くの人々を魅了してきたブルー。
そう思うと、ウルのスタンダードを見る感動が一層増しますね。
わたしが言ってもまったく説得力がありませんが。
こういった背景が、今日ご紹介した「宝石商リチャード氏の謎鑑定」で非常に重要になってくるのです。
…が、これ以上はなにを言ってもネタバレMAXなのでなにも言えません。くそー!
待望のカタルシスがこの場所で起こるんですよ!
ここです!
とても良いシーンなんです!
しかしなにも言えません!
ですので、興味を持たれた方はぜひ、シリーズ1巻からお手に取ってみてください。
宝石への愛で満ちた小説です。
ゴルゴ顔負けの強い女子も出てきます。
おすすめです。
今朝は天気が良かったのに、放課後には雨が降りました。
でも家に着くころにはきれいな夕日が。
…と思ったら夜にはまた雨が降りました。
イギリスの天気は忙しいです。
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